灯②|ミトコンドリアは宇宙の子

走ると

体の中で灯が増える。

ミトコンドリア。

細胞の中にある

小さな発電所。

人が動くための

エネルギーを作る場所だ。

だが

この小さな存在には

不思議な歴史がある。

ミトコンドリアは

もともと

人の細胞ではなかった。

はるか昔。

約20億年前。

地球の海の中で

ある出来事が起きた。

一つの細胞が

別の細菌を取り込んだ。

普通なら

消化されて終わるはずだった。

だが

その細菌は

消えなかった。

代わりに

こういう関係が生まれた。

細菌は

エネルギーを作る。

細胞は

住む場所を与える。

互いに生き残るための

共生。

その細菌が

今の

ミトコンドリア。

つまり

人の体の中には

別の生命が住んでいる。

そしてその生命が

エネルギーを作っている。

走ると

ミトコンドリアは増える。

それはつまり

共に生きる生命が増える

ということでもある。

REBORN RUNNER。

走るという行為は

ただの運動ではない。

それは

体の中の生命と

協力する行為なのかもしれない。

さらに不思議なことがある。

ミトコンドリアは

独自のDNAを持っている。

人間のDNAとは

別のものだ。

つまり

体の中に

もう一つの遺伝子の系譜がある。

人は一つの生命ではない。

無数の生命の

集合体だ。

そして

その生命の材料は

どこから来たのか。

星だ。

宇宙のどこかで

巨大な星が爆発した。

そのとき生まれた元素が

地球に集まり

海を作り

生命を生んだ。

つまり

人の体の中で働く

ミトコンドリアも

その材料をたどれば

星の残骸から生まれている。

人は

宇宙から生まれた。

これは

詩ではない。

物理の話だ。

走るとき

体の中では

星の残骸でできた

小さな発電所が働いている。

REBORN RUNNER。

一歩

また一歩。

それは

地面を蹴っているだけではない。

宇宙のエネルギーが

再び流れ始める瞬間。

人は

走ることで

何をしているのだろう。

体を鍛えているのか。

心を整えているのか。

もしかすると

もっと静かなことを

しているのかもしれない。

星から生まれた生命が

もう一度

光り始める。

REBORN。

それは

人生の再出発ではない。

宇宙が、

もう一度動き始めること。

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