人は
なぜ走るのだろう。
速くなるためか。
健康のためか。
大会でゴールするためか。
理由はいくつもある。
けれど
走り続けていると
ふとした瞬間に
すべての理由が消える。
呼吸だけが残る。
足音だけが残る。
風だけが流れる。
そのとき
人は
自分の外側に出る。
考えが消え
過去も未来も消え
ただ
生命だけが動いている。
祈りというものは
言葉ではないのかもしれない。
祈りとは
心の奥で
静かに起こる
生命の動き。
走るとき
体の中では
無数のミトコンドリアが働いている。
星の残骸から生まれた
小さな発電所。
その灯が
細胞の中で
静かに光る。
その光が
呼吸になり
鼓動になり
一歩になる。
人は
祈ろうとして
走るのではない。
けれど
走っていると
いつの間にか
祈りに近づいていく。
空を見上げる。
山を見る。
川を見る。
土の匂いを感じる。
そのとき
人は気づく。
自分は
この世界の外にいるのではない。
この世界の
一部だ。
REBORN RUNNER。
それは
人生を
もう一度走る話ではない。
生命が
もう一度
宇宙とつながる物語。
走るとき
人は
宇宙の中にいる。
風も
光も
粒も
すべてが
同じ振動で動いている。
一歩
また一歩。
それは
前へ進んでいるようで
本当は
宇宙に帰っている。
走るという行為は
競争ではない。
努力でもない。
祈り。
言葉のない
祈り。
足音が
地面に触れるたび
生命は
静かに宇宙と響き合う。
REBORN RUNNER。
それは
走る人の物語ではない。
宇宙が
自分を思い出す物語。

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