灯⑤|自燈明

人は

迷う。

生きていると

何度も迷う。

どちらへ進めばいいのか。

何を信じればいいのか。

答えを

外に探そうとする。

誰かの言葉。

誰かの教え。

誰かの成功。

そんなとき

仏陀は

静かに言った。

自燈明

法燈明

自らを灯とせよ。

真理を灯とせよ。

つまり

外の光ではなく

自分の中の灯を見よ。

ということ。

灯とは

何だろう。

それは

比喩のように聞こえる。

だが

生命の中には

本当に灯がある。

ミトコンドリア。

細胞の中にある

小さな発電所。

酸素を使い

栄養を燃やし

生命のエネルギーを作る。

人が生きているということは

この小さな灯が

絶えず燃えているということだ。

走ると

その灯は増える。

ミトコンドリアが増え

細胞のエネルギーが増える。

つまり

体の奥で

本当に

灯が増えている。

人は

光を探して

生きている。

意味を探し

答えを探し

救いを探す。

だが

その光は

遠くにあるのだろうか。

走るとき

呼吸が整い

足音が続き

景色が流れていく。

そのとき

人は

少し静かになる。

そして気づく。

光は

外ではなく

内側にある。

REBORN RUNNER。

この言葉は

人生を

やり直す話ではない。

灯を

思い出す話。

大きな光ではない。

小さな光。

細胞の中で

静かに燃えている灯。

ミトコンドリアの灯。

仏陀は

それを

二千五百年前に

言葉で表したのかもしれない。

自燈明。

外の光を追いかけなくてもいい。

灯は

すでに

ここにある。

呼吸の中に。

鼓動の中に。

そして

細胞の中に。

一歩

また一歩。

走るたびに

生命の灯は

静かに強くなる。

REBORN RUNNER。

それは

外の光を探す旅ではない。

自分の灯を

思い出す旅。

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