旧暦と歩く– category –
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旧暦と歩く
一滴💧|霞始靆(かすみはじめてたなびく)
山が、少し遠くなった。 輪郭が、ほどける。 音も、急がない。 見えているのに、はっきりしない。 それで、いい。 -
旧暦と歩く
一滴💧|土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)
踏むと、わずかに沈んだ。 乾いた音がしない。 土が、重さを思い出している。 それだけ。 -
旧暦と歩く
一滴💧|雨水(うすい)
雪の白が、音もなく薄くなる。 軒先から落ちる水は、冷たいまま、でも角がない。 土の匂いが、わずかに戻る。水は、降るというより、立ち上がってくる。 凍っていたものが、やわらかさを思い出している。 今日は、少しだけ、世界がほどけた。 -
旧暦と歩く
一滴💧|魚氷上(うおこおりをいずる)
氷の下は、暗くない。ゆるい光が、水に溶けている。 ときどき、小さな揺れが底を撫でる。 水は冷たいまま、でも、固くはない。 動いたのは魚か、それとも水か。 答えは出ない。 ただ、止まってはいない。 -
旧暦と歩く
一滴💧|黄鶯睍睆(うぐいすなく)
春は、まず音から来る。 光でもなく温度でもなくまだ見えないのに、もう聞こえている。 鳴いていなくてもいい。鳴いたと決めた暦が、すでに世界を少し動かしている。 目には見えない波を、身体はもう受け取っている。 今日は、それに気づいた日。 -
旧暦と歩く
一滴💧|東風解凍(はるかぜこおりをとく)
朝の風が、痛くなかった。 氷はそのまま。でも、白が少し曇る。 音が遠くへ抜けない。 固さだけが、ほどけている。 -
旧暦と歩く
立春──静かに歩き出す
昨日が節分だった。 何かを追い出した、というより、 いくつかの重さを そっと地面に置いた感じに近い。 今日は立春。 春が来た、というほど 世界はまだ変わらない。 空気は冷たいし、 景色も冬のままだ。 でも、 確かに何かが切り替わった。 立春は、 勢... -
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節分──境目に立つ日
今日は2月3日、節分。 暦の上では、 冬と春の境目に置かれた一日。 何かが終わる日でもなく、 何かが始まる日でもない。 ただ、その「あいだ」に立つ日。 今年は、 その立ち位置がやけに身体に残る。 今、僕たちが使っている暦は 太陽を基準にした、とても...
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