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一滴💧|七十二候|乃東枯(なつかれくさ、かるる)
一年で、光がもっとも長くなる頃。 草木は勢いを増し、緑は濃くなり、夏はこれからだと告げている。 その中で、ひとつの草が静かに枯れていく。 乃東。夏枯草。 みんなが伸びる季節に、役目を終えていく草がある。 それは弱さではなく、その草の暦。 咲く... -
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一滴💧|夏至|生活の羅針盤
夏至。 一年で、もっとも光が長く地上にとどまる日。 2026年の夏至は、6月21日、17時25分。 太陽が一番高い正午ではなく、太陽が黄道の90度を通過する瞬間。 地上では、西へ傾きはじめた光の時間。 けれど暦の上では、光がもっとも満ちる一点。 そのずれが... -
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一滴💧|七十二候|梅子黄(うめのみきばむ)
青かった梅の実が、少しずつ黄を帯びていく。 急に変わるのではない。 雨を受け、湿りをまとい、枝にぶら下がったまま、内側から静かに熟していく。 若さの青。時間の黄。 どちらも、命の途中。 まだ酸っぱく、まだ硬く、それでも確かに、季節は進んでいる... -
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一滴💧|七十二候|腐草為螢(くされたるくさ、ほたるとなる)
朽ちた草の奥から、小さな光が生まれる。 終わったもの。役目を終えたもの。土に還りかけたもの。 その暗がりの中から、蛍は、静かに灯る。 腐ることは、ただ失われることではない。 ほどけて、混ざって、別の命の足場になること。 光は、いつも明るい場所... -
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一滴💧|七十二候|蟷螂生(かまきりしょうず)
蟷螂生。かまきりしょうず。 秋に産みつけられた卵から、小さなカマキリが生まれるころ。 生まれたばかりのその姿は、まだ草の影にまぎれてしまうほど小さい。けれど、その小さな身体には、もうちゃんと鎌がある。 蝶のように、まるで別の姿へと変わるわけ... -
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一滴💧|芒種(ぼうしゅ)|二十四節気
芒種。 穂先に芒を持つ植物の、種をまくころ。 麦は実り、田には水が入り、土の中では、次の命が静かに準備をはじめる。 刈り取るものがあり、植えるものがある。 終わりと始まりは、別々に来るのではない。 同じ畑の上で、同じ雨の中で、同時に起きている... -
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一滴💧|七十二候|麦秋至(むぎのときいたる)
6月なのに、秋と書く。 最初は少し不思議に見える。けれどこの秋は、人間の暦の秋ではない。麦にとっての秋である。 稲がこれから水田に根を張ろうとするころ、麦はひと足先に黄金色の穂を垂れ、収穫の時を迎える。 同じ初夏の風の中に、始まりの命と、実... -
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一滴💧|七十二候|紅花栄(べにばなさかう)
紅花が咲く。 咲き始めは黄色。 やがて橙になり、 紅へと変わる。 けれど、 昔の人が見ていたのは、 花ではなく、 その先にある色だった。 今なら、 赤い色など、 どこにでもある。 無数の赤が並んでいる。 けれど昔は違った。 紅は、 花からいただくもの... -
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一滴💧|七十二候|蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)
蚕が、 桑の葉を食べ始める。 それだけ聞くと、 どこか昔話のようにも聞こえる。 けれど、 この候が作られた頃の日本では、 桑は暮らしそのものだった。 葉は蚕を育て、 蚕は繭をつくり、 繭は糸になり、 糸は着物になった。 一枚の葉が、 遠くの誰かの衣... -
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一滴💧|二十四節気|小満|
小さく満ちると書いて、小満。 人はつい、満ちた瞬間を求めてしまう。 収穫した時。目標を達成した時。欲しかったものを手に入れた時。 けれど自然は、もっと早い段階で満ちている。 朝、布団から出た時の暖かさ。 玄関を開けた時の柔らかな空気。 畑へ向...