ワールドカップログ⚽️|第6話

ブラジルを2発で仕留めた怪物。

ノルウェー 2-1 ブラジル|ハーランドという理不尽

日本のワールドカップは、
ブラジルに敗れて終わった。

勝てると思った。
でも、勝ち切れなかった。

その悔しさを抱えたまま、
僕たちは次の試合を見た。

ブラジル vs ノルウェー。

そこにいたのは、
日本の夢を止めたブラジルを、
さらに先で待ち構えていた怪物だった。

ハーランド。

試合の大半、
彼はのっそのっそ歩いているように見える。

急いでいない。
焦っていない。
常にボールへ関わっているわけでもない。

むしろ、消えている時間の方が長い。

でも、
ゴール前に入った瞬間、
空気が変わる。

ボールの軌道が見えた瞬間、
別の生き物になる。

頭で仕留める。
左脚で仕留める。

迷いがない。

来た。
見えた。
振り抜いた。
終わり。

その潔さが、怖い。

イブラヒモビッチとは違う。

イブラは、王だった。
空間を支配し、技で魅せ、存在そのもので相手を飲み込む。

ハーランドは、もっと原始的だ。

獲物を見つけた瞬間だけ、
捕食者になる。

普段は歩いている。
でも、その一瞬だけ、
世界の速度を置き去りにする。

ブラジルは、日本相手に見せた老獪さで、
また勝ち上がるのかと思っていた。

アンチェロッティの修正。
カゼミーロの勝負強さ。
マルティネッリの一撃。

日本が届きかけて、
最後に届かなかった相手。

そのブラジルを、
ハーランドは2発で仕留めた。

ワールドカップは恐ろしい。

日本がブラジルに勝っていたとしても、
その先にはこの怪物がいた。

ブラジルを越えたら、ハーランド。
ハーランドを越えたら、ケイン。
その先には、メッシやエンバペの影も見えてくる。

山は、登れば登るほど高くなる。

でも、だからこそ面白い。

日本の夢のあとに、
怪物の物語が始まった。

ブラジルを倒した怪物を、
誰が止めるのか。

ケインか。
メッシか。
エンバペか。

それとも、
誰にも止められないのか。

ワールドカップログは、
まだ終われそうにない。

山の頂まで、
もう少し見届けてみたくなった。

この一滴を、
ここに落としておく。

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