旧暦と歩く– category –
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旧暦と歩く
一滴💧|七十二侯|竹笋生(たけのこしょうず)
筍といえば、 春。 そう思っていた。 けれど、 七十二候の「竹笋生」は、 いまの感覚より、少し遅い。 富山では、 ゴールデンウィークの頃には、もう掘っている。 だから最初は、 「あれ?」と思った。 調べてみると、 昔の候が見ていた竹は、 いま一般的... -
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一滴💧|七十二侯|蚯蚓出(みみずいづる)
雨を吸った土が、 やわらかくなる。 見えない場所で、 動いていたものが、 地上へ、姿を見せはじめる。 静かな畑は、 何も起きていないようで、 土の下では、 もう、季節が動いている。 マオが、 畑にイチゴを食べに来る。 ミミズが出てくると、 「手、出... -
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一滴💧|七十二侯|蛙始鳴(かわずはじめてなく)
田んぼに、 水が入る。 それまで静かだった場所が、 その夜から、急に鳴き始める。 どこにいたんだ。 毎年、そう思う。 けれど、 いなかったわけじゃない。 土の中や、草の陰や、水路の隅で、 ずっと、季節を待っていた。 水が張られ、 空気が湿り、 夜の... -
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一滴💧|二十四節気|立夏|5月5日|端午の節句、そしてタカキの父の祥月命日
5月5日。 世の中では、こどもの日。暦では、端午の節句。二十四節気では、立夏。 春の名残が静かにほどけ、夏の気配が立ち上がる日。 空は明るく、風は少しだけ強くなり、草木はもう、迷わず伸びようとしている。 そんな日に、タカキは毎年、父のことを思... -
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一滴💧|雑節|八十八夜|夏も近づく、身体も近づく
夏も近づく八十八夜。 子どもの頃から、その一節だけは、どこかで聞いたことがあった。 けれど、八十八夜が何なのかを、深く考えたことはなかった。 立春から数えて八十八日。 春が始まってから、八十八の夜を越えた日。 霜の心配が少しずつ遠のき、茶畑で... -
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一滴💧|七十二侯|牡丹華(ぼたんはなさく)
静けさの中で、 ゆっくりと、 ほどけていく。 ひとつの花が、 重みを持って、ひらいた。 ⸻ 春になると、 同じものが、 名前を変える。 ぼた餅。 牡丹の花に見立てて、そう呼ばれる。 秋には、 同じものが、 おはぎになる。 萩の花に見立てて、そう呼ばれる... -
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一滴💧|七十二侯|霜止出苗(しもやみてなえいづる)
冷えは、去り、 土が、ゆるんだ。 ためらいなく、 双葉がひらいた。 霜が降りなくなったことを、 昔の人は、温度計で知ったわけではない。 朝、外に出たときの、空気のやわらかさ。 土に触れたときの、冷たさの抜け方。 そのわずかな変化の中で、 「ああ、... -
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一滴💧|七十二候|葭始生(あしはじめてしょうず)
水の縁に、 細い緑が立つ。 風に触れれば、すぐにでも折れてしまいそうなほどの、頼りなさ。 それでも、その一本は、確かにそこにある。 葭(あし)は、弱い。 強く張るわけでもなく、目立つわけでもなく、 ただ、水と土のあいだに立ち、 風に揺れながら、... -
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一滴💧|二十四節気|穀雨 |見えないところで動き出す
雨が降る。 ただの雨ではない。穀物を潤すための雨。 二十四節気の「穀雨 (こくう)」。 この時期、動いているのは目に見えるものではない。 雨の音が、少しだけ変わる。 冷たさを含んでいたはずの雨が、どこか柔らかくなる。 触れた瞬間に分かるほどでは... -
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一滴💧|土用から立夏、切り替わるということ ④
土用が終わる。 長い“揺らぎの時間”を抜けて、季節は、次の段階へと進む。 立夏。 それは、夏が始まる日ではなく、夏として“動き出す”日。 変わった、という実感はない。 昨日と今日で、空の色が大きく変わるわけでもない。 風も、光も、ほんの少し、輪郭...