大雨時行。
たいうときどきにふる。
大暑・末候|2026年8月2日〜7日ごろ。
時として、
激しい雨が降るころ。
本来なら、
青空に入道雲が立ち、
午後の空が急に暗くなって、
夕立がざっと降る。
そんな、
夏の空が大きく息を吐くような候なのだろう。
けれど今の富山は、
まだその一歩手前にいる。
曇り空が続き、
空はどこか重たい。
青空にくっきりと立ち上がる
入道雲は、まだ見えない。
土も空気も、
湿りを抱えたまま、
熱だけがじわじわとこもっている。
降っていない。
けれど、
降り出しそうな気配だけは
空いっぱいに積もっている。
大雨時行。
土潤溽暑では、
土が湿り、
熱を抱え込み、
夏の重さが足元から立ち上がっていた。
その先にあるのが、
この候なのかもしれない。
こもったものが、
いつか一気に動き出す。
空も、
土も、
身体も、
心も。
抱え込んだままでは、
ずっとはいられない。
降るべきものが降り、
流れるべきものが流れ、
ようやく季節は
次の呼吸へ移っていく。
けれど今は、
まだその前。
空は重く、
湿りを抱え、
どこかで降り出す瞬間を
じっと待っている。
人もまた、
同じなのかもしれない。
思いを抱え、
熱を抱え、
言葉にならない重さを
胸のどこかにためていることがある。
すぐに雨になるとは限らない。
まだ空の奥で、
重さのまま留まっていることもある。
でも、
動いていないように見えても、
何も起きていないわけではない。
降り出す前の空には、
すでに次の変化が
満ちている。
大雨時行。
それは、
激しい雨そのものだけではなく、
降り出す前の重たい空にも
宿っている季節のことば。
今の富山は、
本来の夏の夕立ちの
その一歩手前。
空いっぱいに抱えた重さが、
いつか巡りへ変わることを、
静かに待っている。

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