一滴💧|土用に土を触るな、は本当か ①

土用に土を触ると良くない——
そんな言葉を、どこかで聞いたことがある。

ちょうどその時期に、
3時間を超える畑仕事をしていた。

本当に“ダメ”だったのか。
その意味を、改めて見つめてみる。


「土用は土を触るな」

昔の人は、そう言った。

理由はこうだ。
土用の期間は、土公神(どくじん)が支配する。
その時に土を動かすと、良くないことが起きる。

けれど——

それをそのまま「禁止」と受け取ると、少し違う。

本質はもっと静かで、現実的なところにある。


土用は、季節と季節の“間”にある時間だ。

春から夏へ。
夏から秋へ。
秋から冬へ。
そして、冬から春へ。

すべての切り替わりの直前に、
約18日間の“調整期間”が訪れる。

それが、土用。


この時期、自然は揺らいでいる。

気温は定まらず、
湿度も行き来し、
風も、光も、落ち着かない。

土の中でも同じことが起きている。

微生物の動きが変わり、
水分のバランスが揺れ、
根の環境も、静かに入れ替わっている。

すべてが、次の季節へ向けて
「整っている最中」だ。


その最中に、人が大きく手を入れるとどうなるか。

深く耕す。
大きく掘り返す。
環境を一気に変える。

それは、整いかけた流れを、もう一度揺らすことになる。

昔の人はそれを——
「神様が怒る」と表現した。


タカキは

4月16日、17日。

畑で、長い時間、土に触れた。

サークル状の畝を作り、
身体もよく動いた。

土用の最中だった。


では、それは間違いだったのか。


この期間に土を触れると、
“結果”がはっきり出る。

良くも、悪くも。

土の状態、
気候の揺らぎ、
自分の身体の反応。

すべてが、いつもより敏感に返ってくる。


だからこそ、この時期は問われる。

どれだけ動いたかではなく、
どれだけ“感じているか”。


触るな、ではない。

乱すな、だ。


そしてもう一つ。

土用は、
“待つこと”を思い出させる時間でもある。

手を入れないことで、
見えてくるものがある。

動かないことで、
整っていくものがある。


土は、いま、選んでいる。

次の季節へ、どう進むかを。

その選択の途中に、
人の手が入る。


ならばせめて——

壊すためではなく、
感じるために触れたい。


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💧 一滴

土は、まだ答えを出していない。
その途中に、手を入れた。

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